サマースクール2015感想文

ベーシックコース 大村 彰勲 大阪大学 医学部 6年
呼吸器外科サマースクール2015に初めて参加しました、大阪大学6回生の大村です。実は去年より参加したかったのですが、気付いた時には募集締め切りになっており、今年こそはと応募しました。2日間のサマースクールはどこをとっても楽しく実になるものばかりでしたが、特にためになった実習は、摘出肺を血管・気管支を同定しながら切除していくwet laboでした。刀根山病院の大瀬先生はやさしくかつ楽しく教えて下さり、血管処理や肺葉剥離など、いろいろな手技について多くのものを吸収出来ました。学生2人だけで手技をすすめていくため、普通の実習では出来ないような主体的な実習でしたので、緊張感もありとてもためになりました。
また、1日目の懇親会では、大先輩の先生方や、将来同じ科に進む同級生の友達ともたくさん知り合い、将来の思いや他愛のない話など色々な意見を交換できたことがなにより良かったです。
主催してくださった長崎大学腫瘍外科の先生方、日本呼吸器外科学会・日本胸部外科学会の先生方、ありがとうございました。来年は研修医枠としてリピート参加したいと思っています。
ベーシックコース 石川 裕貴 東北大学 医学部 6年
もともと外科に興味があり病院実習などで先生方が行っている手技を実際に体験してみたいと思い今回の呼吸器外科サマースクールに参加させていただきました。このスクールは少人数のグループに分かれ各グループに一人のインストラクターの先生がついてくださるので実際に手を動かしている時間が長く、また丁寧に指導してくださったのでとても有意義な時間を過ごすことができた。
生きているブタを用いた開胸では電気メスの使い方一つにしても出血を抑えるにはどうしたら良いのか、止血はどうすれば良いのかなど丁寧に教えてもらえました。
また摘出肺を用いた肺葉切除では実習で見ていた事を実際に自分で行えてとても楽しく制限時間ぎりぎりまで行い気づけばペアと一緒に全肺葉切除していました。
二日目のドライラボでの胸腔鏡下での作業は思い通りにならなくて難しく実習の時先生が簡単そうにやっていることは凄いことだったと認識しました。
このように実習で学んだことを自分で実際に体験することでますます外科に興味が持て、また今後に結び付けていきたいです。私は6年生で初めて参加しました5年生のころ参加できていれば実習で手術を見る際もっといろいろ考えながら参加できたかもしれないと思いました。
最後に指導してくださった先生方、懇談会でいろいろな話を聞かせていただいた先生方や他の大学の学生方に御礼申し上げます。ありがとうございました。
ベーシックコース 冨山 史子 東北大学 医学部 6年
サマースクールではブタの開胸や心肺ブロックを使った肺切除、胸腔鏡体験など、いろいろな貴重な経験をさせていただきました。
最も印象に残ったのがブタの心肺ブロックを使った肺切除です。ビデオで動静脈の走行などを確認して、予習してから臨みました。どの血管が上葉に入っているのかは難しく、テーピングをした後で何度か間違いに気づき、試行錯誤しながら進めていきました。今回血管の剥離を初めてしたのですが、担当の松田先生に道具の使い方や剥離する方向などをたくさん教えていただきました。血管と結合組織がきれいに分かれるととても楽しく、夢中になってやっていました。実習では、術者と助手の息が合っていることの大切さも感じることができました。2人ペアでの実習でしたが、お互いに、どこを、どの方向に剥離したいかや、どこを引っ張ればやりやすいかなどたくさん話しながら進めました。数時間の実習はとても楽しく、あっという間でした。
2日目の胸腔鏡体験では、折り紙でハートを折るのが難しかったのですが、何度か繰り返すうちに少しずつ折れるようになりました。最後にはタイムトライアルもあり、とても盛り上がりました。また、懇親会でも多くの人と話すことができ、同じ学年で呼吸器外科を目指している女子学生と会えたことも、とてもよかったと思います。
サマースクールを通して、手術のおもしろさを感じ、呼吸器外科に今までよりさらに興味を持ちました。来年は研修医として参加し、麻酔下のブタの肺切除に挑戦してみたいと思います。また、今回の心肺ブロックを使った肺切除では血管を傷つけてしまうなど、うまくいかなかったところもあったので、来年もう一度やってみたいと思います。担当の先生をはじめ、多くの先生方に様々な手技を教えていただき、大変お世話になりました。ありがとうございました。
ベーシックコース 椎川 真里那 東北大学 医学部 5年
4月からSGTが始まり、病院の雰囲気にようやく慣れてきた頃、その時たまたま呼吸器外科を廻っていた私に、偶然サマースクールの欠員が出たからと先生が声をかけてくださったことから今回のサマースクールの参加が決まりました。十分に心の準備もできないまま、なけなしの知識を携えて挑んだ2日間でしたが、想像をはるかに超えた多くの知識と経験、そして様々な志を持った仲間たちや先生方との出会いを得ることができました。
1日目の開胸実習や摘出心肺での実習は、自らの手を動かすことで今まで見てきた手術の難しさと、だからこその楽しさを肌身で感じることができました。縫合コンテストでは、インストラクターの先生やペアを組んだ6年生の先輩のおかげで最高傑作ができ、ベーシックコースで3位に表彰していただいてとても光栄でした。2日目の胸腔鏡での作業は考えていたよりもずっと難しく、先生方の技術力の高さと鍛錬を積むことの重要性を実感しました。
また、他大学の先生方や学生と知り合うことができ、将来のことや目標、身の上話や趣味のことまで本当に色々なお話ができたこともとてもいい機会でした。偶然できたこの繋がりを大切にしながら、これからの学生生活、研修生活を精進していきたいと思います。
最後に、お忙しい中準備に当たられた事務局の皆様、ご指導いただいた先生方、このような機会を与えていただきましたことに深く感謝申し上げます。
アドバンスコース 呉 晟名 広島大学病院 2年目
この度呼吸器外科サマースクールに初めて参加しましたが、普段の研修にはない経験をすることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。
私たちのグループは広島大学三村先生のご指導の元で実習を行いました。私はいままで虫垂切除や胆嚢切除を経験したのですが、摘出豚肺で同じように操作をしたら肺静脈を傷つけてしまいました。三村先生から鑷子で把持すべき部位、剥離鉗子を広げる向きや角度など呼吸器外科ならではの操作を教わり、大変勉強になりました。教わったことを生かし、豚中葉切除ではチームのみんなと協力してほぼ出血無く中葉切除をすることができました。繊細臓器の操作は実際に触ってみないと分からないことが多く、wet labで貴重な経験ができました。このセミナーで学んだことを今後の研修にもぜひ生かしていきたいと思います
一方、ランチョンセミナーで呼吸器外科の様々なキャリアプランに触れたり、懇親会で先生方や外科を志す全国の仲間たちと話したりして大変刺激を受けました。ここで頂いたやる気を大切にして行きたいです。
最後に、貴重な経験を与えてくださった主催者の先生方、インストラクターの先生方、業者の皆様に心から御礼申しあげます。本当にありがとうございました。
アドバンスコース 松尾 巴瑠奈 長崎大学病院 1年目
今回、2015年呼吸器外科サマースクールに初めて参加させていただきました。このような場に参加することは初めてのことで、貴重な経験をさせていただいたことに感謝しています。
豚の肺葉切除では、実際に生きた豚の手術を自分たちで行いました。剥離操作や血管結紮など、普段の手術で先生方が簡単そうにやっていることが、実際にやってみると、血管を損傷しそうになったり、周りの組織を巻き込んでしまったり、深いところまで電気メスで焼いてしまったり、、、、。トラブルの連続で、水口先生の精神をすり減らしてしまった気がします。無事に手術を終わらせることができてよかったです。肺動脈を結紮・切離した時は尋常じゃなく、汗をかきました。私も、水口先生も。実際にやってみないと分からないことがたくさんある、と分かりました。
気管吻合のトライアルでは、後ろに永安先生の視線を感じながら、優しい先輩のアシストのもと、無事に終わらせることができホッとしました。翌日の腹腔鏡の実習も、楽しく取り組めました。折り紙のタスクが難しかったです。
今思い返しても、あっという間の、濃密な2日間でした。お世話になった先生方、本当にありがとうございました。
アドバンスコース 今井 諒 長崎大学病院 1年目
学生の時にも参加させていただき、今回研修医として2回目の参加でした。
学生の時とは違い、Animal Laboでは実際に肺葉切除を行い、途中で肺静脈からの大出血を経験し、手術がどんなに恐ろしいものか改めて感じることができました。同時に出血した瞬間に対応していた指導医の先生方の手技を見て、どう対応していくのかを見ることができたことが今回一番勉強になったと感じています。実際に心臓が拍動し、血液で満たされている血管の処理も想像していたよりも難しいものでした。
Wet Laboでは、摘出心肺での肺葉切除を2年目の先生と協力して行いました。緊張感を持ちつつ手技を行うことができ、指導医の先生にも丁寧に指導していただきました。Animal Laboの時のような出血はもちろんありませんが、血管の同定などは難しく、そういったことを理解できただけでも大変勉強になったように思います。
前回参加した際にお会いした先生方も私のことを覚えていて頂き大変光栄でしたし、そういった繋がりが作れたことも自分の中で、サマースクールに参加してよかったと思える部分です。
インストラクター及びスタッフの先生方、本当にありがとうございました。
ベーシックコース インストラクター 大瀬 尚子 刀根山病院 呼吸器外科
昨年に引き続き今年も参加させて頂きました。昨年同様、夏休みの貴重な2日間をさいて参加している学生、研修医の皆さんの熱意には心打たれました。ベーシックコースのインストラクターを仰せつかりましたが、縫合やTissue laboで目を輝かせて実習にあたる学生さんを見ていると、こちらも普段の業務とは異なる新鮮さがあり元気をもらいました。昨年度の受講生や、当院に実習に来てくれていた学生さんや研修医とも再会し、驚くととも呼吸器外科に興味を抱いてくれたことをうれしく思いました。当院の後期研修医もこのサマースクールの経験者であり、新たな呼吸器外科医をはぐくむ土壌となりつつあることを実感しております。
ランチョンセミナーもお声かけ頂き、大役を果たすこととなりました。対して役に立つ話はできませんでしたが、子育てしながらでもできるんだということと、楽しさだけは伝わっただろうと自負しています。呼吸器外科への門をくぐろうとする皆さんの背中を少しでも押すことができたならば幸いです。
そして円滑で楽しい企画を進めて下さった長崎大学事務局の先生方をはじめ、日本胸部外科学会、日本呼吸器外科学会他、関係するすべての方々に深くお礼申し上げます。ありがとうございました。
ベーシックコース インストラクター 似鳥 純一 東京大学病院 呼吸器外科
インストラクターをお引き受けするのも今年で3年目である。このサマースクールは、医学教育でも特に呼吸器外科に興味を持ってくれている学生や研修医が集う場である。私にとっては、初心に立ち返るとても良い機会になっている。
2015年の我がチームは医学部6年生が3人、5年生が1人。毎年、会場に入り、研修医や学生と対面する時には私も緊張をする。しかし、実習への期待感と一つの目標に向かう結束感で、緊張はほんの数分で解けてくる。
今年は、昨年に引き続き、ベーシックコースを担当した。初日午前中はブタの開胸である。実習はわずかな緊張の中で始まる。電気メスを持つことも開胸することも初めてな学生が、電気メスの使い方やカウンタートラクションのかけ方を丁寧に指導すると、自分なりにメスを進めて行くことができるようになった。教えたことをすぐに吸収するその心構えに、心打たれる瞬間であった。昨年は時間配分がしっかりしていなかったこともあり、開胸が完遂できなかったのだが、今年は完遂し、インストラクターとしても一皮むけた気がする。
初日午後は摘出心肺を用いた肺葉切除・気管縫合を行った。生きているブタの肺動静脈を扱うのと違い、摘出心肺では血流がないため、時間制限や張り詰めた緊張感から解放され、じっくりと指導・実習に取り組めた。最初、剥離や結紮は学生には難しいように思えたが、コツを教えるとすぐに実践し、何度も繰り返すことで、終了時には研修医とほぼ変わらない技術を得ているではないか。時間の許す限り血管縫合、気管縫合をする学生の背中に、彼らの熱意が見て取れた。
実際、このような経験は研修医や学生にとって非常に貴重なものであり、サマースクールの意義は大きい。実習の合間や懇親会で、多くの学生・研修医が呼吸器外科の魅力について積極的に尋ねてきた。この会を通して、呼吸器外科医を目指す学生や研修医が増えてくるのではという期待を抱くことができた。
来年も機会があれば、多くの学生・研修医と共に呼吸器外科サマースクールで楽しみたいと思っている。最後にこのような機会を与えていただいた日本胸部外科学会、日本呼吸器外科学会ならびに呼吸器外科サマースクール2015事務局の皆様に改めて御礼申し上げます。
アドバンスコース インストラクター 小松 弘明 泉大津市立病院 呼吸器外科
今回初めてサマースクールのインストラクターとして参加させていただきました。インストラクターの中では学年が最も下の10年目ということで、呼吸器外科領域の著名な先生方にまじって私のような若輩者にインストラクターが務まるかどうか緊張しましたが、チーフの先生の適切なご指導や受講生のみなさんの協力のもと、なんとか努めることができました。学生や研修医の先生と最も立場が近いこともあり、同じ目線から様々なアドバイスができたのではないかと思います。
今回アドバンスドコースで研修医の先生方に指導を行いましたが、受講生の技術の高さに驚かされました。普段からシミュレーションなどで訓練し努力していることが見て取れました。また、技術の吸収や上達が早く、ティッシュラボでは気管吻合がどんどん上手になり驚かされました。伸びシロですね。アニマルラボでは、受講生全員が力を合わせ、チーム一丸となって実際の肺動脈・肺静脈の切離、気管支の切断・縫合を行い、時間内に葉切除を終えたときには私自身も達成感で満たされました。
2日目のランチョンシンポジウムでは「10年目呼吸器外科医の生活」という題で発表させていただきました。自分自身のこれまでの呼吸器外科医としての歩みから私生活に至るまでの経験を話しましたが、受講生の今後の参考になれば幸いです。
今回のサマースクールに参加させていただき、これからの呼吸器外科を担う世代の熱意を感じ、私自身ももっと努力をせねばと刺激になりました。来年もサマースクールに参加し受講生ともども楽しみたいと思っています。
最後にこのような機会を与えていただいた日本胸部外科学会、日本呼吸器外科学会ならびに長崎大学事務局の先生方に改めて御礼申し上げます。

(敬称略)

サマースクール開催報告

サマースクール2015フォトギャラリー