理事長あいさつ

日本呼吸器外科学会 理事長 奥村 明之進

 第3回の呼吸器外科サマースクールを開催するに当たり、理事長としてご挨拶させていただきます。
 夏休みシーズンを前にして、医学部6年生の学生さん達はマッチング試験・卒業試験・医師国家試験の準備で忙しくされていることと思います。初期研修医の諸君にとっても臨床で多忙を極めていると思います。そういう中、将来の専門分野の決定にも悩みが尽きない時期ではないでしょうか。
 さて呼吸器外科というのは、主に肺疾患の外科治療手術を担当する診療分野です。外科の中ではsubspeciality に位置づけられ、残念ながら学生時代も研修中も接する機会の少ない診療領域ではないでしょうか。しかし、急速に患者数が増加している肺癌の外科診療は今後ますます需要が拡大する領域です。また肺癌だけでなく、他臓器からの転移性肺腫瘍・良性肺腫瘍・肺感染症・気管腫瘍・横隔膜疾患・胸壁腫瘍・胸膜悪性中皮腫・気胸・膿胸・縦隔腫瘍・重症筋無力症・呼吸不全などの多様な胸腔内疾患の治療も担当しており、多岐にわたる診療を行っています。肺というvital organ の診療を扱っているため、どの病院でも人材が求められています。
 今回のサマースクールでは、ブタの肺切除の経験を通じて肺の局所解剖や手術の手順を経験していただきます。限られた時間ではありますが、肺手術の技術をできるかぎり習得していただきながら、肺の手術の面白さを経験してもらえたらと思います。また、呼吸器外科医の先輩たちの日々のトレーニングや日常生活などの具体的な話を聞く機会も用意しています。
 この機会を利用して、将来の進路の決定に役立ててもらえればと期待します。
 サマースクールでお会いできることを楽しみしています。


日本呼吸器外科学会 前理事長 近藤 丘

 本年も日本胸部外科学会・日本呼吸器外科学会による呼吸器外科サマースクールを開催することとなりました。スタート当初はどのような企画にするか手探りでの立ち上げと言えましたが、今回は3回目となり、いろいろな面で企画内容が改善されて成熟したものとなっています。会場につきましても、費用の点、アクセスの面、宿泊などアメニティの面など、多方面から幾つかの施設を検討し、今回は神戸の施設での開催ということになりました。
 これまでの2回の開催は、いずれも多数の参加を得て、大変活気に満ちた有意義な会になりました。学術集会とはまた違った形での若手同士の交流、若手とベテラン講師陣との交流は、他では得がたい経験になるものと思います。1泊2日、朝から晩まで、懇親会も含めて濃密な交わりを持つことで、普段限られた自分の世界と考え方を大きく広げることのできるチャンスとなると思いますので、ぜひ多くの若い皆さんに経験をしていただきたいと思います。呼吸器外科を目指している人はもちろん、呼吸器外科を進路の選択肢の一つに考えている人も、実習と交流を通して外科の面白さを実感していただければ幸いです。ぜひ多数のご参加をお待ちしています。


日本胸部外科学会 理事長 坂田 隆造

「呼吸器外科サマースクール2013」へようこそ!
呼吸器外科に興味のある医学生諸君、呼吸器外科を志す研修医の皆さん、 このサマースクール2013で呼吸器外科の楽しさを体験しましょう。

 日本胸部外科学会と日本呼吸器外科学会は、将来を担う若手呼吸器外科医の育成が最重要課題と捉え、2011年より「呼吸器外科サマースクール」を毎年開催しています。難かしい講義や理論はさておき、外科医療の魅力をまず膚で感じてもらう、をコンセプトにブタ心肺を用いたウェットラボ(ベーシックコース[学生]:ブタ開胸・閉胸、肺葉切除術、皮膚縫合実習。アドバンスコース[研修医]:全麻下ブタ及び摘出心肺での肺葉切除術、気管支形成術)やドライボックスを用いた胸腔鏡手術実習など、多くの両学会理事・評議員が指導者となって共に楽しむカジュアルのサマースクールです。毎回、汗を流した後ビールを飲みながらの懇親会はとりわけ盛りあがり、長年同じ釜の飯を食った仲間同士のように打ちとけた談笑のひとときです。
 このサマースクールは、後日のアンケート調査で非常に楽しかったと好評で、今回も同じコンセプトで開催する計画です。
 呼吸器外科の知識はいりません。技術はもちろん不要です。呼吸器外科の雰囲気に触れてみたいと思う人は既に有資格者です。
 多くの学生、研修医の皆さんが夏の日の2日を楽しみに来てくれることを両学会一同楽しみにしています。