サマースクール2014感想文

ベーシックコース 岩手医科大学 医学部6年 岡本紗和子
 病院実習で手術を見学させていただき、先生方の手技に興味を持っていました。この呼吸器外科サマースクールでは少人数のグループに分かれ、インストラクターの先生に直接指導していただきながら、実際に様々な手技を体験する事ができ、先生方が普段やっている事の難しさや楽しさを知り、とても良い経験になりました。また、普段は本物の肺に触れて作業をする機会があまりないので、摘出心肺での肺葉切除はとても楽しく、時間が経つのがあっというまでした。ドライラボでは思い通りに動かせないもどかしさがある分、出来たときの面白さも感じられ内視鏡への関心も深まりました。
 2日間という限られた時間ではありましたが、事務局の先生方が出来るだけ多くの時間を私たちの実習にあてられるようにしてくださり、さらにインストラクターの先生に丁寧に指導していただき、充実した時間を過ごすことができました。懇親会では、全国各地の呼吸器外科の先生や研修医の先生、他大学の学生との交流の機会があり、様々なお話を聞かせていただく事ができました。全日程を通して、とにかく新鮮で楽しい時間だったので参加して良かったと心より感じます。
 このサマースクールに参加した事で、呼吸器外科への興味がより深いものとなりました。来年はぜひアドバンスコースに参加させていただきたいと思います。
 お忙しい中、このような貴重な機会を与えてくださった方々に深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
ベーシックコース 神戸大学 医学部6年 大河原悠介
 今回の呼吸器外科サマースクールは地元神戸で開催されると聞き申し込みましたが、キャンセル待ちもある中、幸運にも参加させていただくことができました。皮膚縫合の練習は今までもOSCE対策などでやったことはありましたが、実際の肺を用いた練習は今回が初めてで、大変貴重な経験をさせていただくことができました。また、生きた豚を用いた実習は、手技以外にも生命について考えさせられるものでした。二日目のドライラボでの胸腔鏡の練習は、モニターを見ながらの操作は大変難しく、以前に手術室で見学した胸腔鏡手術がどれほど難しいものか、先生方の技術力の高さを改めて感じさせられるものでした。この二日間は私にとって大変有意義なものとなりました。
 最後になりましたが、準備をして下さったサマースクール2014事務局の皆様、当日ご指導いただきましたインストラクターの先生方、重ねて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
ベーシックコース 長崎大学 医学部6年 今井諒
 今回、呼吸器外科サマースクールに初めて参加させていただきました。
 Animal Laboでは開胸班に入りましたが、実習で見るヒトの開胸との違いもあり、時間内に手技を終えることはできませんでしたが非常に貴重な体験になったと思います。一言に開胸と言っても、止血の方法やどうすれば綺麗に層に入っていけるか等を教えていただきました。
 Wet Laboでは皮膚縫合を始めとして、摘出臓器を用いて気管吻合や肺動脈吻合をやらせていただきした。どのように剥離を進めていくのか、血管の処理などを含め非常に丁寧に指導していただきました。
 今回のサマースクールに参加し、様々な手技を自分でやってみて、その難しさや面白さを感じることができました。それと同時に手技のコツであったり、働く上での意識のかけ方であったりと本当に色々なことを学ぶことができました。何より他大学の先生・学生と知り合うこともでき手技に関すること以外にも多くのことを学ぶことができたように感じます。非常に有意義な時間を過ごさせていただきました。
 ありがとうございました。
アドバンスコース 自治医科大学付属病院 1年目 吉住直子
 2日間貴重な体験をさせていただきありがとうございました。楽しみながらも真剣に自分の将来について考えるとてもよい機会になりました。
 やはり一番印象に残っているのはアニマルラボです。臨床研修で呼吸器外科を回った後でしたので先生方の手術をたくさん見て、とても簡単そうにされているので自分にもできるのではないかと勝手に思っていました。しかしそれは先生方が練習を積んで万全の準備で臨んでいるからこそだと気づきました。生きている動物で、もし血管を傷つけたら死んでしまうかもしれないと思うと怖くて全く手が出せませんでした。それでも丁寧に教えてくださり、実際に自分の手を動かすことで、血管を剥離する感覚や力加減などやってみて初めてわかることがたくさんありました。
 また、懇親会で呼吸器外科の先生方や全国から集まった志の高い研修医、学生とざっくばらんに話せたのもよかったです。本当に研修医かなと思うくらい手技がうまく、知識が豊富な研修医がいたりと、とてもいい刺激を受けました。
 私は今研修医1年目で今回初めて参加しましたが、学生のうちから参加していればよかったなと思いました。呼吸器外科に進もうと考えている人はもちろんですが、進路に迷っている人こそ参加するとよいのではないかなと思いました。呼吸器外科の扱う領域について知ることができ、また懇親会では先生方の雰囲気や人柄についても触れることができるので、自分の将来像が明確になるのではないかと思います。女性の呼吸器外科の先生の経歴や子育てとの両立などについても聞くことができ、普段なかなか聞く機会がないのでとても参考になりました。
 また1年後成長して参加できたらと考えていますのでよろしくお願いします。改めて2日間ありがとうございました。
アドバンスコース 聖隷三方原病院 1年目 上沼康範
呼吸器外科サマースクールに参加して

 今回は第4回呼吸器外科サマースクールでしたが、私は3度目の参加となりました。過去2回はBasicコースでの参加で、今年はadvancedコースに参加させていただきました。
 advancedコースはアニマルラボ・ウェットラボ・ドライラボの盛りだくさんの内容であり、特にアニマルラボでは豚の肺葉切除を経験することが出来ました。なかなか他では体験出来ない実習ですので、興奮するとともにこれ以上ない緊張感を伴う実習であったと思います。
 今年は事前勉強用の資料や動画の公開があり、知識の整理がある程度できた段階で実習に臨むことができました。また、全国の呼吸器外科志望の研修医・医学生が集まる中、気管支縫合コンテストではこれ以上ない評価を賜ると共に長崎にゆかりのある商品を頂くことができ本当に光栄でした。
 私自身は大学4年生の際に出身大学の呼吸器外科教室の門を叩き、無知な一学生のために熱心にご指導して下さった恩師と同じ道を進むべく呼吸器外科の道を志しました。この呼吸器外科サマースクールでも、大学の垣根を越えて全国各地から集まるインストラクターの先生方が熱心に指導して下さいます。将来の志望を呼吸器外科にしようか悩んでいる研修医・医学生にとっては、呼吸器外科サマースクールは自身の進路を決める上でこれ以上ないきっかけとなるのではないかと思います。今後も毎年開催していただき、多くの後輩に呼吸器外科の世界に足を踏み入れて欲しいと願うと同時に、いつしか自身がインストラクターとして還元できればと思っております。
 最後になりましたが、このような貴重な機会を与えて下さった日本呼吸器外科学会様、日本胸部外科学会様、主催の長崎大学の先生方、インストラクターの先生方、ならびに関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
アドバンスコース 長崎大学病院 1年目 白石斗士雄
呼吸器外科サマースクールに参加して

 学生のころから機会をいただいた時には開胸や皮膚縫合をさせていただいたり、wet laboに参加することでマンツーマンに近い形で外科手技の指導をしていただいたり、またスキルアップのためにできるだけ時間を作って結紮の練習をしたりしていたが、今回は豚に麻酔をかけて肺葉切除をさせていただくことができるということでとても楽しみにしていた。
 実際に経験して、自分が執刀医として手技を行うのはもちろんであるが、助手としていかに執刀医が処理しやすいよう展開する事が難しいかを再認識した。その他にも、気管形成・内視鏡トレーニングなども、グループの人と話し合ったり指導医の先生からアドバイスしていただいたりして、どのようにすればきれいに、はやく、効率よくできるかなどを工夫したりと、日頃受動的になりがちなところを自分達主体で取り組むことが出来た。2日間を通してとても勉強になり、そして飽きのこない楽しい時間を過ごさせていただいた。また来年参加させていただく機会をいただけたらと思う。
アドバンスコース 中頭病院 2年目 戸田薫
呼吸器外科サマースクールへ参加しての感想文

 今回、呼吸器外科サマースクールに初めて参加し、刺激的な2日間を過ごさせていただいたと感じております。1日目の肺葉切除では、全国各地から集まった研修医たちが事前に配布されたブタの解剖を頭に入れた上で手技を粛々と行っていく光景を見て、参加者のモチベーションの高さを感じ、沖縄から単身できていた自分自身を叱咤激励したこと覚えています。私たちのグループは、男女2名ずつ、八戸市立市民病院の三井匡史先生の指導の下、ウェットラボに臨みました。摘出心肺を血管、神経、気管支の走行に注意しながら上、中、下副葉切除を行っていきました。事前に解剖を行っているため、生体のブタに対して下葉切除を行う段階では、鉗子、ツッペル、はさみといった器具を使いこなしており、また静脈、動脈、気管と結紮切除を繰り返していくと、モニター上vital signが低下していき、ヒトの開胸を行っている錯覚に陥るほど、その場は手術室の臨場感にあふれていました。協賛いただいた業者の方々のおかげで、最新のデバイスにも触れることができ、さらにブタの生体に使用させていただくというchanceもありました。
 2日目にはVATSを見据えたドライラボを体験し、切磋琢磨した手技コンテストではセンスの高さを見せつけられ、素直にすごいなぁと感じました。
 さらに、2日間で懇親会を含めて、参加しなければ出会わなかったかもしれない方々にお会いし、また、これだけの人数の同学年がいるのかと知ることができて、本当に楽しかったです。参加を促してくださった当院の先生、多くのインストラクターの先生方、準備してくださった長崎大学・協賛のスタッフの皆様にはこの場をかりて御礼申し上げます。ありがとうございました。
アドバンスコース 長崎大学病院 2年目 松本理宗
サマースクール2014

 2014年7月19、20日に神戸で開催されたサマースクール2014に参加させていただきました。
 5月から呼吸器外科で研修させていただいて、その流れでのサマースクールへの参加はとても実りのあるものになったと思っております。研修の中で多くの手術に参加させていただき、勉強させていただきました。研修の中で得たことを、サマースクールでのブタ摘出心肺を用いた実習、全身麻酔下ブタを用いた肺葉切除実習でより深めることができました。ドライボックスを用いた実習ではゲーム感覚で、鏡視下手術の難しさ、面白さを感じることができました。
 2日間と短い期間ではありましたが、普段学ぶことのできないものを学ぶことができました。今後の研修、その先の臨床に活かしていきたいと思います。
 2日間本当にありがとうございました。
ベーシックコース インストラクター 東北大学 呼吸器外科 松田安史
呼吸器外科サマースクールを終えて

初日はwet labでブタの開胸を行った。我々のチームは医学部5年6年の4人であったので、メスや電気メス、鉗子やハサミの持ち方から始めた。メスで皮膚を切る感覚や電気メスで皮下の脂肪を切る感覚などは、wet labでしか練習できない貴重な経験となったことと思う。開胸実習では、肋骨を剥離して切断することを行ったが、骨膜を剥離する方法や肋間動静脈の結紮切離など血管処理の第1歩としては十分な経験と思われた。肋骨を切断するのは、肋骨尖刀で行うが骨を切るということは、実際の手術でも経験できる回数が減ってきているので、これもまた貴重な経験をすることができたのではないかと思う。我々のグループはいくつかの開胸グループの内で唯一開胸を完遂することができ、チームワークがよかったと思われる。
午後は摘出心肺を用いた肺葉切除を行った。実際の肺の動静脈では血液が流れているが、摘出心肺では血流がなく、血管が虚脱しており、同定や剥離は実際の血管よりもやや難しいように思えたが、我々の班では、血管床を剥離して血管に達し、末梢側まで血管を剥離した後、二重結紮切離をすることができた。左上葉の動脈の同定と切離、左上葉肺静脈の同定と切離まで完遂し、気管支を切って葉切除を行うことができた。これは、やや大変で剥離と切離を根気よくやった学生の成果と思われた。休憩時間には、別室で飲み物を飲みながら、呼吸器外科の話、なぜ呼吸器外科になったか、呼吸器外科のどこが面白いかという呼吸器外科のサマースクールでのことにとどまらず、これからの医者としての人生をどういう風に歩んで行くかという、根本的な悩みなどについてディスカッションすることができ、これもカリキュラムにはないが学生の相談にのることができてよかったと思われた。
二日目は「呼吸器外科の1日」という課題での発表があり、自分自身のこれまでの大学院での研究、呼吸器外科医としての専門医、海外への留学の経験を話すことができた。サマースクールの医学部生や研修医のこれからの医師としての人生の参考になれば、幸いである。
アドバンスコース インストラクター 済生会栗橋病院 呼吸器外科 松本卓子
サマースクールに参加させていただいて・・・・

 2014年呼吸器外科サマースクールにインストラクターとして参加させていただきました。学会のニュースレターなどでサマースクールの存在は知りながらも、地方の一般病院に勤務する私にはこの企画は少し遠い存在でありました。ひょんなことからお声掛けいただき、インストラクターとランチョンセミナーでの発表をさせていただくことになりました。
 さて実際参加させていただくと、チーフの先生の適切なご指導・受講生のみなさんの協力のもと、初参加の私でもインストラクターをなんとか努めることができました。受講生が見事に癒着を剥離し、実際血の通う血管を結紮切離し、普段触れることがないエネルギーデバイスや自動縫合器を難なく使いこなし、葉間をわけ、気管支を切断し、時間内に葉切除を終えたときには私自身も達成感で満たされました。加えて受講生の皆さんがチーム医療に欠かせないコミュニケーションスキルにも長けていたことは非常に印象的でした。
 一人の呼吸器外科医が育つには、多くの先輩医師たちの辛抱強い指導がかかせないと思っています。今回のサマースクールに参加させていただき、これからの呼吸器外科を担う世代への期待と覚悟をみてしまったように思います。その教育の末端でも担えるよう、私自身努力をせねばと強く思える貴重な経験でもありました。
 さいごに、呼吸器外科の居心地の良さと楽しさがこのサマースクールにはあふれていました。長崎大学事務局の先生方をはじめ、関係するすべての方々に深くお礼申し上げます。ありがとうございました。
ベーシックコース ディレクター 会津中央病院 呼吸器科 山岸茂樹
呼吸器外科サマースクール2014感想文

 2012年の第2回より3年連続でインストラクターをやらせていただいています。過去2回はグループインストラクターで数名の研修医を指導が任務でしたが、今回はベーシックコースのコースディレクターの大役を仰せつかり今までとは違う緊張感の中、神戸入りしました。呼吸器外科領域では有名は先生方が沢山いる中で若輩者の私に今回の任務が務まるか心配でしたが、プログラムと運営が秀免のためディレクターの役割はタイムキーピングとインストラクターのお手伝いがほとんどで今年も受講生と一緒になって楽しめた2日間でした。
 今回初めてベーシックコースで医学生の指導を行いましたが受講生の熱意と吸収の早さに驚かされました。ティッシュラボの時間が前回より長くなり途中で飽きてしまうのではないか心配でしたが、受講生はやりたいことをどんどん見つけて積極的に行いアドバンスドコースで行う気管吻合までやってしまう学生さんも沢山いました。今年から新たに手術のシミュレーションも用意されており受講生が適宜気分転換できたのも運営面で改善された良い点と思いました。私の担当はベーシックコース閉胸グループで、このグループの受講生は実習開始してすぐに「皮膚縫合コンテスト」があり実力を出せなかった学生さんも多かったと思います。またアニマルラボが「閉胸術」だったので物足りなく感じた方もいると思います。これは限られた実験動物を最大限に利用しなければいけないので運営上やむを得ないことですが物足りなかった学生さんは来年もぜひこのスクールに参加してベーシックコースであれば「開胸グループ希望」で応募してください。
 地方の市中病院勤務なので呼吸器外科関連の先生や研修医・医学部の学生さんと関わる機会は非常に少なく毎回このサマースクールでは受講生やインストラクターの先生から沢山の元気をいただき日常診療の糧にしています。来年も当院の研修医と共にサマースクールに参加し受講生ともども楽しみたいと思っています。
 最後にこのような機会を与えていただいた日本胸部外科学会、日本呼吸器外科学会ならびに呼吸器外科サマースクール2014事務局の皆様に改めて御礼申し上げます

(敬称略)

サマースクール開催報告

サマースクール2014フォトギャラリー