日本呼吸器外科学会 英語名称変更(案)に関するパブリックコメントの募集について

一般社団法人 日本呼吸器外科学会
理事長 豊岡伸一

会員の皆様におかれましては、日頃より本学会の活動にご尽力いただき、心より感謝申し上げます。 現在、日本呼吸器外科学会では、国際化戦略のさらなる推進と、世界における本学会のプレゼンス向上を目的に、英語名称の変更を検討しております。 
本検討の趣旨は、先達が築かれた歴史を重んじつつ、国際的により認識されやすい表現へ整えることにあります。また背景として、海外において「Chest Surgery」という用語が学会名称として直感的に理解されにくい状況があり、国際的に一般的な「Thoracic」を用いる名称が望ましいという課題認識がございます。

1. 新名称案

【案A】The Japanese Society for Thoracic Surgery(略称案:JSTS)

・特徴:『Thoracic Surgery』とすることで国際的にも認知されやすく、外科医のみならず関連職種を含む学術団体であることを示しやすい。一方、Japanese Association for Thoracic Surgery(JATS)と語順・語感が近く、対外的に混同される可能性がある。

【案B】The Japanese Society of Thoracic Surgeons(略称案:JSTS)

・特徴:『Thoracic Surgeons』とすることでJapanese Association for Thoracic Surgery(JATS)との混同を【案A】より若干緩和することができる。ESTSもThe European Society of Thoracic Surgeons)である。一方、今後臨床工学技士などのメディカルスタッフの会員増加を進める際、Thoracic Surgeryの方が受入れやすい可能性がある。

【案C】The Japanese Society for General Thoracic Surgery(略称案:JSGTS または JSTS)

・特徴:General Thoracic Surgery を用いることで、心臓血管外科を含む JATS との差別化が図りやすい。やや名称が長いと感じられる可能性がある。

【案D】The Japan Thoracic Surgical Society(略称案:JTSS)

・特徴:短く明快で、国名を冠した学会名として国際的に認識されやすい。既存の The Japanese Association for Thoracic Surgery(JATS)との混同を避けやすい。日本外科学会(Japan Surgical Society)と同様の命名形式で、国内学会間の整合性も取りやすい。

2. 変更の趣旨

現行の「Japanese Association for Chest Surgery (JACS)」は、寺松孝先生や正岡昭先生をはじめとする先達が、呼吸器外科の確立を期して命名された歴史的な名称です。今回の検討は、この精神を礎としつつ、国際的な認識のしやすさを最大化することを目的としています。

3. 背景

今日、国際的な学術交流が進む中、海外では日本呼吸器外科学会の名称としての「Chest Surgery」という用語は理解が得られにくいという課題が浮き彫りになってきました。ご承知のように欧州(The European Society of Thoracic Surgeons: ESTS)や北米(The American Association for Thoracic Surgery: AATS, The Society of Thoracic Surgeons: STS)、アジア諸国(Taiwan Society of Thoracic Surgeons: TSTS等)の外科系学会では「Thoracic」が用いられております。一方、Chestは内科的な胸部疾患全般も含まれる可能性があり「Chest Surgery」は通常使われておりません。学会の方向性として欧米やアジアとの交流を含めて今後一層の国際化を進めたいと考えており、国際的に理解が得られる名称が望ましいと考えています。

4. 補足事項(検討のプロセス:国際比較と用語の定義)

今回の選定にあたっては、理事会にて世界の学術団体の動向を精査いたしました。

  • •  世界的な「呼吸器外科」専門組織の名称: 欧州では、心臓血管外科、呼吸器外科、食道外科の包括的な学会であったEACTS(The European Association for Cardio-Thoracic Surgery)から、呼吸器外科主体の組織としてESTS(The European Society of Thoracic Surgeons)が分かれ、独自の発展を遂げました。一方、北米のAATSやSTSは今なお心臓外科を含んだ体制を維持しており、機関誌が「Journal of Thoracic Surgery」から心臓血管外科の勃興に伴い「Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery (JTCVS)」に名称を変更したものの、ESTSのように呼吸器外科が主体の学会が生まれるような動きは、欧州や日本ほど顕著ではありません。
  • •  国際標準への適合と日本の立ち位置: 欧米の「Thoracic」には食道外科が含まれることが一般的であり、厳密には日本の呼吸器外科の実態に完全に合致する英語表現は存在しません。しかし、我々と同じような歴史を有している欧州のESTSが「Thoracic」を冠している点、および日本の専門医制度における呼吸器外科専門医の名称が「General Thoracic Surgeon」となっている現状を鑑み、国際的な視認性を最優先すべきと判断いたしました。なお、アジアに目を転じると、台湾ではTATCS(Taiwan Association of Thoracic & Cardiovascular Surgery)とTSTS(Taiwan Society of Thoracic Surgeons)が存在しておりますが、2018年にTSTSが胸部(主に呼吸器・食道など)に特化した学会として新設されており、日本と同じような状況になっております。
5. 歴史のアーカイブ化

「JACS」という名称とその歩みについては、学会の貴重な記録としてホームページ等のアーカイブに永く保存し、先達の想いを次世代へと伝えてまいります。

6. ご意見の送付方法

上記候補案およびその背景について、会員の皆様の広く率直なご意見をお寄せください(推奨案・理由・懸念点、変更する必要なし、理事会一任等)。

パブリックコメントは会員マイページ内のアンケート「日本呼吸器外科学会英語名称変更(案)に関するパブリックコメント募集」よりご回答をお願いいたします。
会員マイページアンケートページ

募集期間

2026年3月26日 ~ 2026年4月27日まで

対象

本学会 会員

※ 意見の内容は公表いたしますが、氏名などは公表いたしません。
いただいた意見への個別回答はいたしかねますのでご了承ください。

掲載 2026年3月26日